さようなら

7時に起きて引越準備。引越業者、宅配便業者、粗大ゴミ引取業者が訪れお金と交換に次々とモノを運び出していく。計画通りに、遅くなる。感傷に浸る間もないお別れ。雨の中駅に向かってダッシュ。予約した夜行バスに遅れるわけにはいかない。なんとか余裕を持って間に合う。誰も線路に落ちなかったことに感謝。そして見送りに来てくれた人に感謝感謝。バスは新宿のビルの合間を泳ぐように進む。こんな日は雨でよかったと個人的には思う。


カーテンで区切られた奇妙な空間でiPodと共にこの4.5年間を自然と振り返った。中途半端に後ろに倒れた座席から見えるモノと言ったら前を向いてもカーテン、右を向いてもカーテン、左を向いてもカーテン。車の小刻みな振動は不快というより心地良く、カーテンの隙間から次から次に飛び込んできては踊り狂う、様々な色の光もそのリズムに乗っている。モノゴトをセンチメンタルに考えざるを得ないのだ。


「成功するまでは絶対帰ってこない!」なんてかっこいいことを言ったわけではないのだが、それでも大学のためにトーキョーに出てきて、大学を卒業したからトーキョーを去り地元に帰るわけで一つの区切りには違いない。